こんにちは。メン・ヤムと申します。42歳です。
私の家は両親と10人兄弟・姉妹が暮らす大所帯でした。私は9番目です。
兄弟は学校に行っていましたが、私は行かせてもらえませんでした。両親に10回以上は「学校に行きたい」と言い続けていました。
でもそのたびに両親は「お前は障害者だから学校に行く必要はない。どうせ仕事にもつけないだろうから」と言いました。私の兄弟、姉妹もそう思っていたようです。
私は進学をあきらめきれなかったので、私と同じように手に障害があるCADDP(エファのパートナー団体です)の事務局長であるサム・オーウンさんに相談に行きました。
サム・オーウンさんは「もちろん、君は教育を受ける権利がある。障害の有無は関係ない」と力強く語ってくれました。私は何度も、何度も両親を説得し、学校に行くことを許されました。
学校では一生懸命勉強しました。そして中学校を卒業。高校にも通い高校3年生まで終了しました。ただ高校の卒業試験に落ちてしまいましたが…。
2011年、集合村の職員が、村の土地の測量を手伝う人材を探していました。私は迷わず立候補しました。週に3日の仕事でしたが、この時初めて給与をもらい、収入を得たのです。
2015年には首都プノンペンに行くことを決意しました。この時は、もう誰も反対しませんでした。最初、工場でプロダクトの営業を担当。2020年からはプノンペンにあるマハ・タンというレストランで働いています。月に160ドル(22,000円)の収入があります。
両親ともすでに亡くなりました。10人兄弟の中で収入があるのが私と中学校で教員をしている弟だけです。
障害者は「何もできない人」「家族のお荷物」と思われがちです。でも、教育を受けることで、家族を支える人にもなりえるのです。
皆さんからご理解をいただけたら幸いです。
ありがとうございました。